3/01/2010

社説:日中歴史研究 まず一歩、さらに前へ

    日中両国の有識者による初の歴史共同研究の報告書がまとまり、公表された。第二次世界大戦後の現代史部分や、論議の過程を記録した討議要旨が中国側の要請で非公開とされたのは残念だが、先の戦争の負の遺産を抱える両国が歴史に向き合い報告書をまとめ上げたことは前向きに評価したい。


 共同研究は06年10月の安倍晋三首相(当時)と胡錦濤国家主席の会談で合意したのを受け同年12月に日中各10人の有識者でスタートした。

 日中関係は小泉内閣時代、首相の靖国神社参拝によって首脳会談が開けないほど悪化した。このため、共同研究には歴史問題を学識経験者の議論にゆだねることで政治と切り離そうという狙いが込められていた。

 報告書は古代から近現代までの歴史を双方の委員が記述している。先の戦争に関しては双方に歩み寄りの努力が見られる部分がある一方、依然として認識の溝が埋まらない問題も多い。

 例えば、日中全面戦争への引き金となった盧溝橋事件について日本側論文は「最初の発砲事件は『偶発的』であり……」とし、中国側論文にも「発生は偶然性をもっているかもしれない」との記述がある。また、日本の敗戦について中国側は「歴史の転換点でもあった。日本人民は平和発展の新たな道を歩み出した」と指摘している。従来より柔軟な視点と見ることができよう。

 日中戦争については、中国側が日本の侵略を繰り返し指摘しているのに対し、日本側も「戦場となった中国に深い傷跡を残したが、原因の大半は日本側が作り出したものと言わなければならない」としている。

 一方南京虐殺事件では、犠牲者数を中国側が極東国際軍事裁判と南京国防部軍事裁判所の判決などをもとに「延べ三十余万人」としているのに対し日本側は「20万人を上限に4万人、2万人などさまざまな推計がなされている」と記述し、認識の差を示している。

 歴史認識の溝を埋める作業が困難を伴うのはもちろんだ。今回、天安門事件(1989年)などを含む戦後史部分と討議要旨が非公表とされたことがその一端を示している。「天安門事件の評価など共産党指導部の正当性を揺るがす問題に触れることを中国側が恐れた」(日本側委員)との指摘が当たっているのだろう。

 双方は新メンバーで第2期の共同研究を行うことにしている。戦後史について中国側座長の歩平・社会科学院近代史研究所長は「第2期の継続研究としたい」と述べている。歴史に関する共通理解を研究者だけでなく国民レベルでも深めるために、次はぜひ公表してほしい。

資料來源:毎日新聞社説

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100203ddm005070021000c.html
資料擷取時間:2010/02/05

資料翻譯:

  經中日兩國有識者的努力,最初的歷史共同研究報告書已整理完成,公諸於世。第二次世界大戰後的現代史部分,以及記錄討論過程的要旨,雖然在中國的要求之下未公開為免有些遺憾。但是,抱有往日戰爭負面遺產的兩國,共同面對歷史的報告書完成一事還是值得正面評價。

  歷史共同研究是在2006年10月,在當時的安倍晉三首相與胡錦濤國家主席的會談之下達成協議,於同年的12月,以中日兩國各10人的有識者開始進行研究。

  在小泉內閣時代,由於首相至靖國神社參拜,導致兩國關係惡化,中日兩國首腦會議亦無法舉行。因此,共同研究期盼藉由有識者對於歷史問題的議論,能與政治切割。

  報告書是中日雙方的委員撰寫,由古代開始到近現代的歷史。但關於往日的戰爭歷史,雖能見到雙方一同攜手努力的部分,但是仍舊存在著認識上無法跨越的鴻溝。例如:關於引起中日全面戰爭導火線的盧溝橋事件,日本方面的論文認為「最初的發砲攻擊事件是偶發的」;中國方面的論文當中也有著「事件的發生或許具有偶然性的成分」如此的記述內容。並且,關於日本的戰敗,中國方面指出:「這也是歷史的轉捩點。日本人民踏出和平發展的嶄新道路」。可看成是比起以往較為柔軟的觀點。

  關於中日戰爭,對於中國方面指出日本的反覆侵略,日本方面也認為「在成為戰場的中國留下深刻的傷痕,必須指出有大半的原因是日本方面所造成的」。另一方面,在南京大屠殺事件,相對於中國方面以極東國際軍事裁判和南京國防部軍事裁判所等的判決為基準,主張犧牲人數「超過30萬人」,日本方面記錄「最多以20萬人為上限,也有4萬、2萬人等等的推算」,這顯示出雙方認識上的差異。

  當然要掩埋歷史認識的鴻溝作業是困難的。本次包含天安門事件等戰後史部分和討論要旨不公開一事,即顯示出其中困難的一面。「中國方面害怕碰觸天安門事件評價等等動搖共產黨指導正當性的問題」日本方面委員如此的指陳,正中問題核心。

  中日雙方決定以新成員進行第2期共同研究。關於戰後史的部分,中國方面主席,社會科學院近代史研究所長步平說:「希望能夠繼續第2期的共同研究。」為了讓歷史相關的共同理解,不僅僅限於研究者,也能深入國民階層,下次希望能夠將全部的研究結果公諸於世。

資料整理:歐秋芬

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